大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和27(あ)3693 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人鍛治利一、同弘田達三の上告趣意第一、二点について。

第一審判決が所論(三)の供述調書を証拠としたことは違法であるとしても、そ

の他同判決挙示の証拠によつて、本件犯罪事実を認定することのできることは原判

示のとおりであるから、右の違法は未だ以て刑訴四一一条により第一審判決破棄の

理由とするに足らないものとみとめるべきであつて、右と同趣旨に出でた原判決は

正当である。所論判例はこの場合に適切でない。(所論(二)の供述調書の「A」

は「B」の誤記とみとめるべきである)又、所論の違憲論が、その前提を欠くに帰

することは、前段説明するところによつて明らかである。

同第三点について。

所論は刑訴四〇五条所定の適法な上告の理由にあたらない。引用の判例ももとよ

り適切でない。(刑法一九条の二は没収できないときは「没収物の価額」を追徴す

ることを規定しているのであつて、右は、所論のように、犯人の犯罪による利得額

を追徴する趣旨ではない。されば本件において第一審判決が刑法一九条一項四号に

より没収さるべき「去勢牛二頭」の価額を追徴したのは正当である)また記録を精

査しても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条三八六条一項三号により主文のとおり決定する。

この決定は、裁判官全員一致の意見である。

昭和二八年一〇月一四日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

- 1 -

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!